はまトレ

さて、前回は

「痩せる」って「健康的」じゃない理由

についてお話ししました。
簡単におさらいをすると、「痩せる」ということは

脂肪と筋肉を落とし、貧相に細くなる

ということでしたね。
脂肪を落とすだけならまだしも、必要な筋肉まで落としてしまうということになると
日常生活に支障をきたし、腰痛になってしまったり
基礎代謝がガクッと落ちることで、もっと太りやすいカラダになってしまったり

見た目は確かに「細く」はなりますが、
決して健康的ではありません。

更に、多少の好みはあるのかもしれませんが、
肉付きが悪くガリガリにやせ細った人を”かっこいい”と思う人はいません。

世界的に見ても、ガリガリのモデルさんが活躍する時代は終わりつつあります。

要するに、
「痩せる」ということは健康的にもビジュアル的にも良くないということですね。
それでも痩せたいという方はどうぞ、勝手にやってください。

簡単におさらいしたとおり、
「痩せる」ことはいろんな観点からナンセンスです

が、実は「マッチョ」も「健康的」ではないんです。
これって結構意外ですよね。僕も最初は驚きました。

まずここでいう「マッチョ」についてですが、

「ボディメイク大会に出場したり、そのレベルにまで減量や食事制限をしている人」

のことを言っています。
僕の周囲ではボディメイクの大会に出ている人がそこそこいます。
表彰されたり、優勝する人もいます。

その方たちは本当にビジュアル的にもかっこいいですし、
メンタルの強さや、努力へのモチベーションの高さは尊敬の一言に尽きます。

でも、だから健康的ってことではないんです。
理由は

本当に極端な食生活

にあります。

マッチョ(ボディメイク大会に出場したり、そのレベルにまで減量や食事制限をしている人のことを言うことにします)は、とにかく大会で勝てるカラダにするために、筋肉を増やす時期(増量期)と、減量をかける時期(減量期)にわけ、調整をしていきます。

まず増量期ですが、ここでは多少の脂肪を付けてでもとにかく筋肉量を増やすことを目的としたトレーニングと食生活を実施します。
この時期は、脂質の量を少なめにしたりはしますが、あまり厳しい食事制限をする方はいませんので、
あまり問題はありません。

問題は減量期です。
減量期は出場日の３か月前くらいから食事制限が始まります。
ざっくりいうと

①脂質制限とカロリーコントロール(３か月前～１か月前)
↓
②糖質カット(１か月前～１週間前)
↓
③塩分制限と水抜き(１週間前～前日)

ほんとざっくりですがこんな感じです。
③塩分制限と水抜きについてはまた後で話します。

①についてです
脂質制限もいろんな方がいて、良質な脂はとるべきという方と、
良質だろうが切るって方とに分かれます。

良質な脂というのは
アボカドや青魚(イワシやサバなど)に含まれる脂質のことを言います。

ただ、いくら良質とはいえ脂であることに変わりはないので、抜くべきだという方も多いです。

脂質制限は確かにボディメイク食事管理の幹となる管理方法なので、
正しく行うことはプラスになることもとても多いです。

しかし、皆さんご存知の通り、食事はバランスよくが基本です。
脂質を抜きすぎると、便秘になりやすくなります。

更に筋量を落とさないためにタンパク質を大量摂取(一般の方に比べて)します。
タンパク質を多量摂取すると内臓に負担がかかります。
ちなみに僕は実験でプロテイン多量摂取したら黄疸がでました。笑

また、腸内環境が悪化しやすくなり、腸内にガスが貯まりやすくなります(おなかが張ります)。
おならがよく出るようになり、臭いも結構きつめになります。

②糖質カット

これは今一番はやっているんじゃないですかね。
ライザップはメインコレですし、これがいいって言っているトレーナーさんも多いですね。

確かに痩せるという観点では超効果抜群です。
体重めっちゃ落ちますので、一番最初はコレからやるのを僕も薦めています。
(できる実感をまず得ることが何よりも大切なので)

ただ、トレーニーの方々の糖質制限はちょっとやりすぎくらいやるので、
めまいがして頭がぼーっとしてきます。頭にエネルギーが回らなくなるので。

糖質制限で体重が落ちるのは
食物から摂取する糖質を制限することで血液中の糖質を枯渇させると
体についている脂肪や筋肉を分解してエネルギーとして利用しだすからです。

ですが、だからと言って足りない分をすぐに全部体内脂肪で賄ってくれるかといったらそれはどうやらできないようです。

というのも
これは僕の予想ですが、糖質以外は食べていて食物は摂れている状況なので、カラダが、食物から栄養を摂ることはこれからも可能だと判断して、本当に摂れなくなった時の為に体内の脂肪は無理して使わないんじゃないかと思っています。

ボディビル会の有名な話で
マッチョに固執しすぎたせいで餓死してしまったという方がいます。

この原因は、
筋量が多すぎるため、そもそもの基礎代謝がものすごく高い
にもかかわらず糖質や脂肪の接種を著しく制限したことによりエネルギーが足りなくなり
体内の脂肪を消費しようとしたが、
すでに脂肪はほとんどついていなかったため脂肪の消費もできず、餓死するに至ったというものでした。

要は、生物が餓死するときというのは、食べ物がなくなったときではなく
体内から、消費できるエネルギー源がなくなった瞬間なんだということです。

だから、カラダは脂肪をできるだけ減らさずに(むしろできるなら蓄えたい)いきたいんです。
そうしないといざというときに生命維持ができなくなってしまう(使えるエネルギーがないから体が停止する)ので。

とはいえ糖質を制限すると、一番使いやすいエネルギーが入ってこなくなるわけなので、
とりあえず減らしても大丈夫そうな量のエネルギー源を燃やして生命維持をしようとします。
なので体重が落ちます。

でもここで問題なのが、筋肉も落ちるということです(以前お話ししましたね。)
筋肉も分解して使うことができるので、脂肪だけじゃなくこっちも落ちます。

「痩せる」ことは「健康的」じゃない
でも話しましたが、トレーニーの方もこの状態にはなりますので、
いかに筋量を落とさずに減量するか(絞りきるか)というのが永遠の課題だそうです。

ちょっとそれましたが、ここで言いたいのは
糖質制限をしているときはめまいもするし集中力なくなるし
全然健康的じゃないってことです。

③塩分制限と水抜き

①と②も本格トレーニーになるとものすごい抜き方をするので本当に不健康なのですが、
正直③が一番やばいです。

どういうことかというと、
みんな知っている通り人間の７０％以上は水分でできています。

「てことは水分量減らせば体重落ちるんじゃね？」

ってことですね。ほんとそれだけです。が、やり方がやばいんです。

まず食べ物の塩分を抜きます。
塩分をとると水分をため込む手助けをしてしまうので、
塩分を切ることで水分を蓄えない状態にします。

ここまではいいんです。塩分を控えることは体にも良いことなので。

次に、「カリウム」を多量摂取します。

理由は、カリウムを多量摂取して、体内の電解質バランスを崩すと、
カラダが水分を多量放出するようになるんです。
これが水抜きです。

おしっこもよく出るようになり、汗もかきやすくなるようです。
ちなみに、チャンピオンクラスになると２時間で６キロ落とせるらしいです。

もうすでに不健康そうなにおいがプンプンしていますが
これをやると、すでに②の糖質制限でめまいがしている状態なのに、さらにふらふらになるらしいです。
(チャンピオンの友人は、意識飛ぶこともあるからやるなら気を付けてねって言ってました。笑)

本当にやり方間違えると死にかねないらしいので不健康はすでに通り越しています。
実際友人は全然健康的じゃないよと言っていましたし、
「だからもう辞めた」と言ってもうそこまでの減量は一切やっていません。

極端な食事制限がもたらすのは「キレキレのマッスルボディ」だけではないんですね。

僕が見ていて、食事制限を無理なく実践できている選手は一人もいませんでしたし、
誰が見ても「体に悪そう・・・」なのは明らかです。

 

そもそも、
「生きる為には余計な筋肉」
を付けること自体が生物的に間違っているので
(これについてはイチローさんもよく言ってますね。「ライオンは筋トレしませんよね？」ってやつです。)
マッチョ＝健康的
ではないんですね。

今回はマッチョについて書きましたが、
もちろん、すべてのマッチョが不健康というわけではありませんので誤解のないように一応言っておきます。
(そもそもマッチョの尺度が人によって違うので。)

実際、筋肉を適度につけることはめちゃくちゃプラスなので
日常的に運動が足りていない人は、絶対に筋トレだけでも取り入れるべきです。

人生変わりますよ。